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アルルで出会った世界中の素晴らしい人たち

アルル国際写真フェスティバルへの旅 9日目

  1. レビュー参加者から得られる素晴らしいもの
  2. レビュアーから頂けるのは貴重な”言葉”
  3. 順番にやってくるお別れ

レビュー参加者から得られる素晴らしいもの

朝、ホテルの食堂に昨日レビュー会場でたまたま隣に座ったイギリス人の女性が現れてお互いにびっくりした。

「ずっとこのホテルに泊まっていたの?全然会わなかったね」などと話し「後で会場でね」と別れた。

朝食後すぐ、久しぶりに歩いて会場に向かう。今朝は風もあって気温も低く、長袖を着ていても寒いくらい。久しぶりの涼しさが心地よかった。

会場前で先ほどの女性とまた会って、会場までの時間、おしゃべりしながら待った。彼女は底抜けに明るく、パワフルで、真紅の口紅が印象的。朗らかな彼女にとてもよく似合っている。

彼女はレビューを予約した10人以外にも、エキスパートが一人でいる瞬間を見つけてどんどん話しかけて写真を見てもらうのだという。

「彼らのコメントは良くても悪くても私にとってどうでもいいの。ほしいのは「出版」という結果だけ。そのほかのことはどうでもいい。」と言い切る彼女はとてもたくましく見えた。

こうして写真を見てもらいに来る人は何百人もいて、その多くがプロで出版経験もあり、展覧会で1枚の写真が莫大な金額で売れるようなトップクラスの人ばかり。

出会って仲良くなった人たちの写真を見るたびに、そのレベルの高さに感動した。途中から私の主なる目的はエキスパートに自分の写真を見てもらうことよりも一人でも多くの人の作品を見せてもらうことの方が大事になってきた。

例えばマティアスは昔ながらのガラス写真の大きな作品を持ってきていた。寡黙な彼とはほとんど話をしなかったけれど、その作品は美しくて見飽きることがなく、気づけば期間中何度も彼の作品に見入っていた。

あまりにも大きな作品だったので、レビュー会場のすみに作品を並べてエキスパートにそこにきてもらって、レビューを受けていたようだ。そこだけマティアスの展覧会場のようになっていた。

こうして多くの写真家といろいろな話をしていると、私にとって助言をくれるエキスパートからよりも参加している彼らから得る刺激やインスピレーションの方がずっと大きい。

写真とはどうあるべきものなのかという感覚的なものがどんどん私の中に流れ込んで来る。そういう感覚や純粋さは「先生方」からはあまり伝わってこない。

レビュアーから頂けるのは貴重な「言葉」

しかしもちろんそんなレベルの高い写真家たちを批評するのだから、専門家の知識というものは半端ではない。言葉にならない「感覚」という部分は多くの参加者たちから学べるが、もっとクールな、具体的な「言葉」はやはり上に立つ人たちからしかもらえないものだと思う。

例えば私の写真を見て、足りない部分や余計な部分を指摘した上で、それを芸術作品の域まで持っていくためには何が必要なのかを言葉でくれる。

それは本当にすごいことだし、私がそれに少しでも近づくために誰の作品を見ればいいか、即座に何人もの写真家の名前を上げられるその知識の豊富さには度肝を抜かれる。

そしてそういう人たちは決して感情的にものを言ったりしないし、私が考える「大人」の域をはるかに超える人格の持ち主ばかり。

私がこれまで面談してきたエキスパートはみんなそうだった。中には全然写真を見てもくれず、20分間嫌そうな顔でそっぽを向かれて無視されていた人などもいたので、私は特にラッキーだったのかもしれない。私はこの旅で「大人」ということについて本当に真剣にたくさん考えさせられた。

自分のレビューの番を待っている時間はとても貴重。たまたま隣に座った人の写真を見せてもらい、その人やその人の国や家族のことを聞かせてもらうと私にとってその人の作品は数倍も意味のあるものになる。それは専門家たちがその人の作品についてどんな批評をしようと変わらない、ゆるぎないものとなる。私は今回ここへきて、とにかくそのことが嬉しい、と思う。

今日のレビューは一人だけだった。とてもわかりやすい英語を話す人で、やはり教えるということに長けている。今日は「この中であなたが一番好きな写真はどれ?」「一番嫌いなものは?」と聞かれ、今度は「なぜこれが一番好きなのか?なぜ嫌いなのか?」と聞かれる。それについてはすんなり答えられず、考え込む私に「答えられなくてもいいんだよ。今こうして聞いているのは次にあなたが写真作品を作るときに常に考えるべきことだから。作品にするとき、あなたの中にその意味も理由も具体的な説明も全てすでにあるべきだから。そのことを今日教えたくてこういう質問をしたんだよ。」と教えてくれた。

私は感動で胸がいっぱいになり、泣きそうになってしまった。彼らは常に教育者で、少しでもこちらのためになるように、どうしたら分かってもらえるかということに心を砕いてくれる。その必死さが伝わって来るので、本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。

こちらが閉じずにいさえすればエキスパートの先生からも多くの参加者たちからもとてつもなく多くのものをもらえる。まさに「出会いの」場なのだ。

順番にやってくるお別れ

レビューも残すところあと1日。もうすでに10人との面談を終えて、帰る準備をしている人たちもいる。出会いが多くて大好きな人たちが増えれば増えるほど、辛い別れがやがてひとつずつやって来る。

仕方のないことだけれど、今日レビューを終えた千葉奈穂子さんと、彼女に同行されていた岩手の美術館の館長の及川諄子さんとも今日でお別れ。彼女たちには会うたびにとても癒された。

今日は一緒にReattu美術館を見た。とても見応えのある素晴らしい美術館だった。

名残惜しく、離れがたく夕方まで一緒いいてついに別れの時間。泣くまいと必死だったけれど、どうしようもなかった。さよならのあと、一人でホテルに向かう帰り道、安物のサングラスがとてもありがたかった。

一人でアルルの町を歩いても、今では何人もの「友達」と言える人たちとすれ違い、声を掛け合う。イスラエル人、フランス人、中国人、韓国人、ノルウェー人、イギリス人、アメリカ人、そしてもちろん日本人の友達がたくさんできて「ずっとコンタクトを取り続けようね。」と何度も確認し合う。愛情でつながっている。来て良かったと心から思う。

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Published inアルル国際写真祭

4 Comments

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