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アルル国際写真祭を楽しむ10の方法

写真で世界を目指すならアルルに挑戦しよう

 世界中の写真家の登竜門と言われている南仏アルルの国際写真フェスティバル。ヨーロッパ最大級の写真祭で、年々規模が大きくなり、アルル以外の都市でも同時期に写真展が開催されるようになってきました。

今年も開催日が決定しました。(詳細についてわかっていることはこちらにまとめましたのでご覧ください。)写真家を目指すなら作品を専門家に見てもらい、アドバイスを受けられるポートフォリオレビューに参加しましょう。自分の作品について客観的な意見を聞ける貴重な機会となるでしょう。

 ここではこのポートフォリオレビューのことやアルルでの楽しみ方について解説します。以前私が参加した時に痛感したよかったこと、後悔したことなどを交えながらアルル国際写真祭を楽しむ10の方法について順番に解説していきます。

1.ポートフォリオを準備しよう
2.コンセプトを説明できるようにしておこう
3.レビュアー(専門家)を選ぼう
4.ギリギリまで語学の勉強をしよう
5.何を言われても気にしないようにしよう
6.紹介されたことは素直に受け取ろう
7.参加者同士のつながりを濃くしよう
8.小さな展示もできるだけまわろう
9.日本人にあったら交流を深めよう
10.旅行記を書いてみよう

1.ポートフォリオを準備しよう

 ここでいうポートフォリオとは写真の作品をアルバムにまとめた手作りの写真集のことです。アルルに見せに行く作品群のことですね。レビューを受ける決心をしたら、作品を厳選しましょう。

レビューの時間は20分です。作品を全部見てもらって十分なアドバイスを受けるためには枚数も大きなポイントになってきます。もちろん少なすぎるのもよくありませんが、枚数が多すぎると写真を見るだけで時間が半分くらいとられてしまいます。

以前私が参加した時には30枚持っていきましたが、これは少し多すぎました。じっくり何度も見返してもらう時間がないですし、肝心のレビューの時間も少なくなってしまいます。そのことを踏まえて自分で何度もシュミレーションをしてから枚数を決定するとよいでしょう。

作品の大きさですが、できるだけ大きい作品のほうが反応が良いです。もちろんフランスにもっていくのですから抱えきれないほどの大きさのものは無理ですが、自分が飛行機でフランスまで持っていき、アルルのホテルからレビュー会場まで毎日運んでいける大きさと枚数というのが大切になります。それが可能な大きさを考えるようにしましょう。

私の初フォトフォリオレビューについてはこちら

2.コンセプトを説明できるようにしておこう

写真を「作品」として世に出すとき、国内外にかかわらず一番大切なのがこの「コンセプト」です。レビューを求めて持っていく写真は「写真」である前に「アート作品」です。

ただきれいな写真、構図の美しい写真なら、今やセンスのいいひとならスマホでもすぐ撮れます。SNSに投稿される写真を見ていても、うまい写真、すごい写真、美しい写真、さすがと思えるものがたくさんあります。しかし、大切なのは「希少性」。そしてそのことをどう突っ込まれても説明できることが必要になってきます。

必ずしもうまい写真や美しい写真でなくても、たとえ全てピンボケの写真であっても、本人が作品としてきちんと意図を説明できれば、それは評価されます。一貫したその人らしさというものが必要になってきます。

私がコンセプトについてレビュアーから教えてもらったこと

3.レビュアー(専門家)を選ぼう

持っていく作品が決まったら、それを誰に見てもらうか決めましょう。アルルには世界中からたくさんの専門家が集まって来ます。

一覧になっていますのでその中から自分に合った人、自分が希望する人を選んでいきます。例えば、海外の写真雑誌に掲載されることが目標でしたら雑誌の編集者を、作品を売りたい場合は美術商(アートディレクター)を選ぶなど、目的で選んでいくといいでしょう。他には美術館のキュレーターや著名な写真家など、いろいろなレビュアーがいます。

日本人の参加者は、いろいろなジャンルの人に見てもらっていることが多い印象でしたが、海外の人は「とにかく雑誌に載せてもらうことだけが目標」とギャラリーにも美術館にも目もくれず、毎年参加している人もいます。

レビュアーのリストにはそれぞれの肩書きとともに、その人が喋れる言語も明記されています。私が参加した時には英語が喋れる人の中から選んでいきました。

レビューは以下の4パターンの中から選ぶことができます。

200€ 5人
320€ 10人
450€ 15人
550€ 20人

という設定になっています。値段によって見てもらえる人数が違いますので、自分が申し込んだ金額の人数のレビュアーを選んでいきます。一人につき20分ずつ見てもらえます。

レビューの申し込み方法につきましては以下にまとめてあります。

アルル国際写真フェスティバル2020

4.ギリギリまで語学の勉強をしよう

英語や他の言語がペラペラという人でしたら必要ないと思いますが、大抵の人は英語を喋るのも聞き取るのも苦手という方が多いのではないでしょうか?それでもレビューは日本人のレビュアーを選ばない限り、他の言語で行われます。なんとか少しでも聞き取れるように、少しでもこちらの意図が伝わるように何度もシュミレーションしながら練習しておくとよいでしょう。

そして単語を覚えたり、フレーズの聞き取り練習などギリギリまで続けましょう。もしかしたら今日覚えた単語が明日のレビューの中で出てくるかもしれません。私が行った時には「特許を取りましたか」と聞かれたのを聞き取ることができました。前の週に覚えたフレーズ集の中にたまたまあったのです。

半分くらい聞き取れて半分くらい言いたいことが言えれば、と考える人もいれば、一言残らずアドバイスを聞き逃したくない、という人もいるでしょう。コミュニケーションに自信がない人で予算に余裕がある人は通訳の人と一緒に行くという方法もあります。

でもできるだけ自分で頑張ってみることが、作品作りのモチベーションにも繋がるのではないでしょうか。

5.何を言われても気にしないようにしよう

レビュアーの中にはいろいろな人がいるものです。リストから選ぶ時にはどんな人かまではわからないので、当日びっくりすることも稀にあります。ほとんどの方が人格者なのですが、中には写真をみて20分間ずっと怒った顔をして黙っていた人や、勘違いして怒り出す人も中にはいるのです。

しかし、それは怒る方が間違っていると考えて気にしないようにしましょう。もしアルルにきて初めてのレビュアーがそういう人だった場合、緊張と落胆で、その後のレビューも全部台無しにしてしまいかねません。それでは本当にもったいないので、最初の人がそういう人だったとしても気にしないようにして、次のレビューを元気に受けましょう。

私が会場で大声で怒鳴られた事件についてはこちら

6.紹介されたことは素直に受け取ろう

レビューを受けていると、そのレビュアーにとっては専門ではないけれど、このコンセプトなら、あるいはこの技法なら◯◯に連絡してみるといいですよと教えてくれる時があります。さすがに彼らにはたくさんのネットワークがあり、重要な情報を教えてくれるのです。

そういう時はつい聞き流してしまいそうになりますが、きちんとメモを取ってすぐに連絡してみることでギャラリーとの契約が決まったり、美術館での展覧会が決まったりすることもあります。

また、作品をみて、◯◯という写真家の写真を参考にするといい、などと教えてくれることもありますので、きちんとメモを取って自分の作品に生かすようにしましょう。

また、作品を気に入ってくれて、この技法でもっとこんな感じの写真ができたら送ってほしい、などと言ってくれることもありますので、チャンスを逃さずすぐに制作に取り掛かってできるだけ早く送ることで道が開けることもあります。

時にはレビュアーが個人的に参加予定のパーティーに誘われることもあります。そんな機会に恵まれたらぜひ参加してみましょう。いろいろな写真家に出会えたり、作品を見せてもらえたりします。

私が誘われて参加したサロンについてはこちら

7.参加者同士のつながりを濃くしよう

アルルには世界中からたくさんの人が夢を抱いて集まって来ます。きちんとしたコンセプトを持ってはっきりした目的を持ってこの写真祭に臨む人ばかりです。

レビュアーはもちろん素晴らしい専門家ではありますが、ここに参加する何よりの財産は、これらの参加者達との交流です。

レビューを待っている間、たまたま隣の席になった人や同じホテルに泊まっていて朝食で隣り合わせになった人、展覧会を回っていて出会った人、などできるだけ話しかけて作品を見せてもらい、その上でコンセプトを聞かせてもらうことは本当に勉強になります。そしてそれを聞いた後ではその人の作品まで輝いて見えて来ます。

こうして、コンセプトの重要性を実感することができますし、カメラやフィルムや用紙などの情報を共有することもできますのでとても参考になります。レビュアーから得られるものよりもこちらのつながりの方が貴重ではないかと私は考えています。積極的に交流してたくさん友達を作りましょう。

世界中から集まった素敵な人たちとの交流はこちら

8.小さな展示もできるだけ回ろう

この時期、アルルは町中が展覧会場になっています。メイン会場やレビュー会場だけではなく、町中の小さな店でも各地で展覧会が開催されています。この展示をできるだけ回るだけで大変勉強になりますし、時にはいろいろな種類の用紙について説明してくれることもあります。

思いがけない発見をすることがありますので、ぜひ時間の許す限り見て歩くことをお勧めします。

9.日本人に会ったら交流を深めよう

国際写真祭には日本人も結構参加していて、会場や町の中で出会うこともたくさんあります。そういう時には積極的に話しかけてみてください。

せっかく海外に来たのだからできるだけ日本人以外の人と交流、と考える人もよくいますが、それは勿体無いと思います。せっかく同じ志をもって同じ地に集まっているのですから、情報交換をしたり、助け合ったりする方がずっといい思い出になります。

帰国してからも交流が続くことも多いですので、ぜひアルルで出会った日本人を大事にしてください。

私がアルルで出会った愛すべき日本人のともだち

10.旅行記を書いてみよう

せっかく勇気を持って臨んだ国際写真祭ですから、この経験を後に続く人たちのためにもぜひ旅行記として残しておくことをお勧めします。

メモ程度のものでも写真とともに残しておくだけで、数年後に見ても昨日のことのように思い出すことができるでしょう。せっかくの体験をわすれてしまっては勿体無いですので、ぜひ手帳を持参して、寝る前に簡単にその日にあったことを書いてみてください。

こうしてお勧めする理由は私が書いておいて本当に良かった!と心から思っているからです。

アルル国際写真祭2009体験記1日目

今年のアルル国際写真フェスティバルの詳細が発表されました。特にフォトフォリオについて必要な情報をこちらにまとめてみました。
アルル国際写真フェスティバル2020

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Published inアルル国際写真祭

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