アルル国際写真祭への旅 3日目
- パリのホテルの朝
- TGVは難しい!
- 可愛いコルベールホテル
- そしてこわすぎるコルベールホテル
- アヴィニヨン演劇祭
- プティ・パレ美術館
- 本当に笑われるとは!!
- 天罰???
パリのホテルの朝
早く寝たせいか、時差のせいか、朝5時前に目が覚めた。今日はアヴィニヨンに向けて発つので、早めに荷物をまとめて準備し、7時半の朝食を待つ。
時間ちょうどにノックの音がしてドアを開けると、クロワッサンとコーヒーの香ばしい香り。チップを渡してへやでゆっくりと味わう。
リヨン・バスティーユホテルでは朝食を1階のレストランで食べても、ルームサービスでも同じ値段。専用の札に来て欲しい時間に印をつけてドアにぶら下げておくと、その時間にできたての朝食が届く。
大きなクロワッサンとバゲットとビスコット。それから大きなカップに3杯分はある美味しいカフェオレとしぼりたてのオレンジジュース。どれも大変美味しい。
食べ終えた朝食のトレーと預かってもらうスーツケースを持って階下へ降り、予定通りラゲージルームにスーツケースを保管してもらった。そして南仏にもっていく荷物をまとめ、”See you again”と手を振ってチェックアウトした。
TGVは難しい!
TGV駅には念のため1時間前に到着。不安は的中し、私がルーブルの帰りに、ここかなと見当をつけていた場所はTGV乗り場ではなかった。
慌ててインフォメーションを探し回り、英語を話せるスタッフを探す。英語が話せるか確認すると”A Little”と答えるのに、質問したことに対してはフランス語で答えるから全然理解できない。
なんとか自力で乗り場までたどり着いたが、ホームがたくさんあり、電光掲示板を見ても私が乗るTGVは何番ホームから出るのかわからない。再び英語がわかるスタッフを探し回り、三人目でようやくコミュニケーションが成立。彼によると出発20分前になると電光掲示板にホームの番号が表示されるとのことだった。「アヴィニヨン行きはだいたいあの辺で待っているといいよ」と教えてくれたのでそこで待つことにした。
彼の言う通り、ちょうど20分前に電光掲示板に「19番」と表示されたので、専用の機械で自分でチケットに印字してからホームに行った。
しかし今度はどの車両番号のところにいたらいいのかわからないし、私のチケットにある15番の車両がない。乗り込むお客さんでごった返す中、ようやく駅員さんを捕まえてチケットを見せると、「15番は5番の車両」とのこと。本当に訳がわからない。
重すぎる荷物を大きな男性に積み上げてもらってようやく予約していた番号の席に座って一息ついた。何もかもが難しすぎる。
可愛いコルベールホテル
3時間半後、無事にアヴィニョンに到着した。重い荷物を引きづり、なんとか駅の外に出た。コルベールホテルは駅のすぐそばだった。とても小さいけれど可愛くて素敵なホテル!まだ客室は準備中ということで、スタッフの部屋に通してくれた。どこを見てもとにかくかわいい!許可をもらって写真をたくさん撮らせてもらった。

Hotel Le Colbert
Avignon France
7 rue Agricole Perdiguier
84000 AVIGNON
Mail:contact@avignon-hotel-colbert.com
tel:+33 4 90 86 20
fax:010-33 4 90 85 9700
check in 2pm-9pm
check out 11am
アヴィニヨン駅からすぐそば。
清潔でとてもかわいいホテル。
スタッフは話しやすくて感じがいい。
朝食は12ユーロ。豪華!
食べきれない。英語OK。
そしてこわすぎるコルベールホテル
その後、準備が整い、5番のお部屋に通された。数少ない、中庭に面したお部屋だとのこと。しかし部屋を見て言葉を失った。



いやいや、こわすぎるでしょ!何かの罰ゲームですかと思うほどの光景だった。狭い部屋に巨大なポスターが額に入って3枚。ベッドを取り囲むように3面の壁にこの3枚がかけられている。この三人に見下ろされながら眠るなんて考えられない!え?なに?意地悪??と思ったほど。どうも歴代のいろいろな演劇のポスターらしい。これには参った。
アヴィニヨン演劇祭
今、アヴィニヨンは演劇祭の真っ只中。24時間お祭り騒ぎで眠らない街になっている。部屋でポスターに睨まれているのも嫌だったので、ホテルから街の一番はずれまで歩いてみることにした。
外はものすごく暑い。日陰ではなんとか過ごせるものの、日向は耐えられないほどの暑さだ。太陽アレルギーの私はもちろんしっかり日傘をさして歩いた。童謡で有名な「アビニヨン橋」を見てから目的の「プティ・パレ美術館」に向かう。街の中は演劇祭のポスターだらけ。


プティ・パレ美術館
プティ・パレ美術館には私が小学生の頃から大好きだったボッティチェリの作品があるのだ。これを見られるだけでアヴィニヨンに来た価値は十分にある。ひんやり涼しい美術館で、おびただしい数のイコン画をひとつひとつたどっていくと、あった!!ボッティチェリ!もう感動でその場からしばらく動けなかった。ルーブルでもそうだったが、やはり本物は迫力が違う。


時間をかけて作品を堪能し、感動と喜びに浸りながらプティ・パレ美術館をあとにした。再び容赦ない日差しの中へ。

本当に笑われるとは!!
事前に調べていた通り、フランスで日傘をさしている人は一人もいない。4〜5人の若い男女のグループの一人の女の子が傘をさしている私を怪訝そうに見ている。そして空を仰ぎ「はぁ?」みたいな調子で大声で騒いでいた。フランス語はわからないけれど、言っていることは手に取るようにわかる。
「あんた!頭どうかしちゃったの?あれ?雨なんて降ってる??」と。一緒にいた男女の若者たちは全員一斉に大声で笑う。そんな反応があることはちゃんと調べていた。でもアレルギーだから仕方がないし、気にしないと決めて日傘を日本から持って来たのだ。
しかしまさか本当にそんなことであからさまに人を馬鹿にして大笑いするような人がいるなんて信じられなかった。フランスはサービス精神とは程遠い国とよく言われるけれど、ちゃんとお互いを尊重し合う、個人主義の国ならサービス精神なんて別にいいじゃないかと勝手に好意的に解釈していた。
しかし実際にたった一人で歩いている外国人旅行者をみんなで寄ってたかって笑い者にするなんてまったく考えてもみなかった。
私はひたすら無視して歩き続ける。絶対に振り向かない。目も合わせない。私が全く反応しないので今度は男の子たちまで騒ぎ立てて叫び始めた。彼らの声に今度は町中の人がクスクス笑い出した。
道の両側いっぱいの大勢の人たちがみんなで私を指差して笑っているその真ん中を、まっすぐ前を見て歩き続けた。さすがに辛かった。辛すぎる。なにこの感じ。もう少しで涙が出てしまいそうだった。
天罰???
その瞬間、一気に空が真っ黒になった。あんなに晴れ渡っていたのに突然雷が鳴り始め、ものすごい土砂降りに!心底びっくりした!
周りを見渡すと町中の人が慌てふためいて屋根のあるところへと走っていく。もちろんさっきの若者たちも。そんな中、私ひとり通りの真ん中を堂々と悠々と傘をさして歩き続けた。神様、ありがとうございます!
ホテルに帰るとスタッフが気持ちのいい笑顔で歓迎してくれてとても癒された。「Room No.5の人ですね?」と流暢な英語で満面の笑顔で声をかけてくれた。彼によると、私はちょうどいいときに来たとのこと。このホテルは1泊65ユーロだが、季節ごとに値段が変動するらしく、明後日からは85ユーロになるのだとか。ギリギリセーフ。
気分良く部屋に戻り、あのポスターたちに迎えられ、恐怖のどん底に。シャワーをあび、頭まで布団を被って寝た。(現在は1泊78〜102ユーロ・7月の演劇祭の時期は118〜150ユーロ)
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